労働保険事務組合とは?

労働保険事務組合とは?

中小企業の事業主団体が、その構成員である事業主の委託を受けて労働保険に関する申告・届出等の事務手続きを行うことについて厚生労働大臣の認可を受けて、事業主に代わって手続きを行う団体を労働保険事務組合といいます。

現在130万以上の事業所が、労働保険事務組合を経由して労働保険に加入しています。

労働保険事務組合に事務を委託している事業場は、約132万3千(平成27年度)を数えており、これは労働保険の全適用事業場数の約42.4%に及んでいます。

委託できる事業主は・・・

金融・保険・不動産・小売業にあっては、50人

以下の事業主となります。
卸売の事業・サービス業にあっては、100人
その他の事業にあっては、300人

委託できる事務の範囲

労働保険事務組合が処理できる労働保険事務の範囲は概ね次のとおりです。
①概算保険料・確定保険料などの申告及び納付に関する事務
②保険関係成立届、任意加入の申請、雇用保険の事業所設置届の提出等に関する事務
③労災保険の特別加入の申請等に関する事務
④雇用保険の被保険者に関する届出等の事務
⑤その他労働保険についての申請、届出、報告に関する事務
⑥一般拠出金等の申告及び納付に関する事務

(注) なお、印紙保険料に関する事務、労災保険及び雇用保険の保険給付に関する請求等の事務、 雇用保険の雇用安定事業、能力開発事業に係る事務は委託事務の範囲から除かれています。 その場合は、提携している社会保険労務士法人にて手続きが可能ですのでご相談ください。

事務組合制度を利用するとこんなにメリットが

社長さんや個人事業主の方も事務組合制度を利用すれば労災保険に加入できます!

社長さんや個人事業主の皆さんは、自分は労災保険の対象外だとあきらめていませんか。

【労災保険の特別加入制度について】

労災保険に加入することができない事業主、自営業者、家族従事者その他「労働者」でない方にも、その業務の実情、災害の発生状況などからみて、特に労働者に準じて保護することが適当であると認められる一定の方に対して特別に任意加入を認めているのが、特別加入制度です。
特別加入制度には、この他に、海外派遣者・一人親方等、特定作業従事者を対象としたものがあります。

特別加入の種類 ①中小事業主等
対象者 労働者以外
・労働者を年間100日以上雇っている中小企業主、役員、家族従事者
・労働保険事務組合へ事務を委託している者
業種等限定 なし
加入申請を行う者 中小事業主
徴収法上の区分 第1種特別加入者
特別加入の手続
特別加入の種類 ②一人親方等
対象者 労働者を雇わず事業を行う者、家族従事者 省令で定める特定の作業に従事する者
業種別の特別加入団体の加入者
業種等限定 ・建設業の一人親方 等 ・特定農作業従事者 等
加入申請を行う者 特別加入団体
徴収法上の区分 第2種特別加入者
特別加入の手続
特別加入の種類 ③海外派遣者
対象者 国内から海外の事業へ派遣される労働者、JICA等団体から海外に派遣される者
業種等限定 なし
加入申請を行う者 海外派遣元事業主、団体
徴収法上の区分 第3種特別加入者
特別加入の手続

金額にかかわらず、概算保険料を3回に分けて納付できます!

労働保険の概算保険料は40万円以上でなければ分割納付できないことになっていますが、事務組合に委託することにより、金額にかかわらず分割納付することができます。

労保連労働災害保険(労災保険の上乗せ補償制度)に加入できます!

労働災害は、安全管理を徹底してもすべてを未然に防ぐことは困難です。

労働災害に伴う補償は、国の労災保険により公的な補償が行われていますが、昨今は、それ以外に事業主に何らかの上積み補償を求めるケースが見られます。

労保連労働災害保険は、労働基準監督署長の支給決定を受けた業務上災害・通勤災害について補償いたします。この保険には、労災保険に特別加入している事業主の方も加入できます。